詩街地

自作の詩を投稿します。

雨想い

何気無い雨音や雨の匂いに
心を掴まれる僕がいることに気付いた
空は果てしなく澄み渡る灰色で
風も少しだけ荒々しく吹いていて
僕はこの雨色に帯びた風景を
脳裏に愛おしく焼き付けたよ

あの雨への憎悪 あの雨へのもどかしさ
何度体に染み込ませてきたことだろう
あの雨への敗北感 あの雨への哀愁感
思い返す度に体が熱くなるよ
あの雨への愛情 あの雨での奇跡
どこまでも鮮明に時は刻まれ続け
あの雨への希望 あの雨への感謝
僕は一つの確信を深めた

そうだ
僕は雨模様が好きだったんだ

ありがとう雨よ これからも清く降ってくれ
永遠より長い刹那を彩ってくれ

今日も窓の向こうで雫が踊っている
僕もそこにいていいかな
ポツリと呟いて 勢いよく開けた玄関
今日もどこかで雨は降り続いている