何気無い雨音や雨の匂いに
心を掴まれる僕がいることに気付いた
空は果てしなく澄み渡る灰色で
風も少しだけ荒々しく吹いていて
僕はこの雨色に帯びた風景を
脳裏に愛おしく焼き付けたよ
あの雨への憎悪 あの雨へのもどかしさ
何度体に染み込ませてきたことだろう
あの雨への敗北感 あの雨への哀愁感
思い返す度に体が熱くなるよ
あの雨への愛情 あの雨での奇跡
どこまでも鮮明に時は刻まれ続け
あの雨への希望 あの雨への感謝
僕は一つの確信を深めた
そうだ
僕は雨模様が好きだったんだ
ありがとう雨よ これからも清く降ってくれ
永遠より長い刹那を彩ってくれ
今日も窓の向こうで雫が踊っている
僕もそこにいていいかな
ポツリと呟いて 勢いよく開けた玄関
今日もどこかで雨は降り続いている