詩街地

自作の詩を投稿します。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

この雨はもうすぐ上がるよ この風はもうすぐ止むよ 絶望からもうすぐ解き放たれるよ 至福の時間がもうすぐ始まるよ 空が笑っているよ 鳥が歌っているよ 街も民も大喜びしているよ そこにはかけがえのない景色があったよ 虹が映えているよ 大きく 優しく 鮮や…

雨色喫茶

ああ 何だかんだで今日も この聖地に辿り着いてしまった ねぇマスター いつもの渋いコーヒーをちょうだい ねぇどうして 僕らは同じ過ちを繰り返すのだろう 味気ない人生でもいいのかなあ 大事なものは目には見えないし 案外すぐそばに真実はあるし 数多の闇…

白い部屋

真夜中の静寂に怯えて辿り着いた白い部屋で僕は何を思うのだろう 走り出した勢いは僕を狂わせた街へ繰り出した神様に何かを尋ねた花に出会った手を伸ばしてその花弁を散らせたそして僕の将来は途絶えた 何が正しいのだろう何が間違いなのだろう掌に問いただ…

「我」

ノートの切れ端に小さな絵空事を書いては破り捨て結局葬るんだ あまりにも嬉しくて快楽の泉に浸ってしまうよあまりにもつまらなくて目の前の壁を睨んでしまうよ 一人で演出して一人で盛り上がっているそんな日常が僕を幸せにしてくれている 生きているだけで…

雨想い

何気無い雨音や雨の匂いに 心を掴まれる僕がいることに気付いた 空は果てしなく澄み渡る灰色で 風も少しだけ荒々しく吹いていて 僕はこの雨色に帯びた風景を 脳裏に愛おしく焼き付けたよ あの雨への憎悪 あの雨へのもどかしさ 何度体に染み込ませてきたこと…