詩街地

自作の詩を投稿します。

2023-01-01から1年間の記事一覧

日常を往こう

誰もいない昼下がりの浜辺をゆっくりと歩こう 犬や風と戯れながらどうだよ 今の気持ちは外の世界も決して悪くはないだろう 向こうから流れてくる海の匂いも飽きの来ない砂の快感も僕の全てを果てしなく刺激させているああ 日常ってこんなにも奥深いものなの…

蒼い朝

「どうしてこうなったのだろうどうしてこの道を歩いているのだろう」静寂な陰鬱は今日も生きている 煩わしい朝の満員電車の中で何度僕に僕のことを尋ねても結局は無に終わるのさもう 一人で生きられないよ度重なる緊張感と責任感は後先の事なんて何も知らな…

懐憶

部屋の片隅の小さな花を そっと撫でながら 窓の外を眺めて ただ一人で黄昏るの 聞こえていますか 届いていますか誰よりも愛しいあなたへ あの日のことなら 今でも覚えているよ あの日の歌なら 今でも歌えるよ あの日の朝日は いつもより輝いていたよ あの日…

バングナイトドライブ

「ったく…」不意に呟いた独り言 誰に向けて言ってんのか分かんないけど 相変わらずの救いようのない惨状ぶりで 嫌気が差しまくる日々に疲れてきたんです 今日も自分なりに進んでいく夜間高速 窓の向こうの景色に負けてしまうような 後悔だらけの時に浸りたく…

レクイエム

今日で何度目なのだろう 去り逝くあなたを想い立ち止まるのは 降り続く雨があまりにも優しすぎて 思わず泣いてしまったよ ふと緩んだ空気で その反動で 大切な言葉を上手く伝えられたらなぁ あの日あなたから得た欠片たちは 今もこの胸の中で健やかに生きて…

それは運命だった 閉ざされた扉を叩いているのは 誰でもない僕だった それは光だった この部屋の中に何かが舞い降りた 全てを愛しく思えるようになったんだ 今、何がしたいの? いつも何かを考えては弾けていたね 果てしない妄想に走りながら 広すぎる世界に…

潜水

音の無い世界でただ息を殺した 目の前に広がるのは無数の欠片 そうさ今 僕は潜水したんだ 自分で自分を試しているんだ 青く澄んだ空に見守られながら 果てない底へと突き進んでいくんだ 甘く苦い空気をただ噛み締めた ゆらゆらと無意識に揺れる泡 たった今 …