詩街地

自作の詩を投稿します。

静かな雨

気が付けば見ていた

この部屋からずっと見ていたんだ

あの空の色を

気が付けば見ていた

二つの目でずっと見ていたんだ

この世界の一部分を

 

ああ 雨は今日も降る

誰にも気付かれないほど 静かな音で

 

何気なく思った

いつからか何気なく思っていたんだ

あの空について

何気なく思った

わずかな感覚でずっと思っていたんだ

この世界の一部分について

 

ああ 雨は今日も降る

誰にも気付かれないほど 静かな音で

 

ずっと見ていようよ

この雨の景色を

まだ遅くないんだよ

この雨の美しさを

 

ああ 雨は今日も降る

誰にも気付かれないほど 静かな音で

 

 

Night River

冷たい風が頬をなぞれば

やがて気付くだろう この夜の壮大さに

橋の下から聞こえる轟きに

目を閉じて想いを捧げよう

 

さあ流れるがいい 果てなき河よ

美しく狂え 前だけ向いて流れろ

閉ざされた心はたやすくほどかれる

生命を感じる

 

見上げた月はどこか切ない

あまりにも綺麗に輝くからだろう

いつか魔法は解けてしまうけれど

終わりを思えば終わってしまう

 

さあ流れるがいい  果てなき河よ

静かに響いて激しく駆けていけ

一目して僕は永遠を誓った

その勢いを胸に

 

さあ流れよ

轟けよ

果てなき河よ

夜路を駆け抜けて

急に目が覚めた 何かを思い出した

外へと飛び出した どこまでも純粋な気持ちで

空の三日月が何故か心にしみて

立ち止まり夜風を浴びて また走り出した

 

あの日何気なく吐き出した僕の言葉が

繊細な君の心を突き刺したんだ

この罪を犯していながら 分かっていながら

何もせず過ごしていた僕がいた

 

僕の底から這い上がろうとしている言葉を

今胸に秘めて この夜路を行く

 

一千一秒も延々と

変わりなき友情を磨いてくれた

どこまでも輝いていた過去の破片が

走馬灯の如く 脳を巡っていく

君に出会い 君と学んで

君を想って また君に出会って

時はどこまでも鮮やかに刻まれていた

かけがえのない形が僕らの全てだった

 

会いに行く

君に会いに行くよ

確かな意志を連れて

年末年始の詩

ああそうか
もうすぐ今年が終わるのか
暖かい夜の中で
こたつに浸りながら
一年を思い返していこう

何度笑ったのだろう
何度怒ったのだろう
どれだけ成功したのだろう
どれだけ失敗したのだろう
どれだけ生きてこれたのだろう

それなりに得たものがあったな
その分失うものもあったような
時間にしばられ苛んできた僕に
今日はいつもより素敵なごほうびを
思い切りいただこう

ありがとう今年
去年より少しは強くなれたはずだから
気を引き締めて 大事なものを抱いて
来年へと走り出していこう

ああ今 除夜の鐘が鳴った
ああようやく 年が明けるのか
ああ それではさようなら

ハロー、クリスマス

ハロー、クリスマス

今年も雪の華が舞い降りてきたんだね

ハロー、クリスマス

聖なる夜にこの純粋な句をどうぞ

 

ハロー、クリスマス

街も人も慌ただしくて手に負えられなくて

それでも皆の笑顔に喜ぶ私がいて

 

人波の間を縫って買ったプレゼント

あの人に渡したら喜んでくれるかな

ついでにフルーツケーキも作ったんだ

今なら届けられるから 今会いに行くよ

 

ハロー、クリスマス

行き交う人たちはどこに向かっているんだろう

椅子を抱えて歩く人 恋人と戯れる人

 

私の知らない時に知らない場所で

新しい出会いは起き続けているんだね

私もその奇跡のおかげで今を生きられるし

誰もが誰かの光で影なんだね

 

神様ありがとう こんな幸福に気付かせてくれて

さあ家に戻って この日を祝おう

 

ハロー、クリスマス

今年も雪の華が舞い降りてきたんだね

ハロー、クリスマス

聖なる夜にこの純粋な句をどうぞ

逢いたい2人

逢いたくて たまらない

白く染まった一本道
静かな大地を踏みながら
一人「孤独」を知った
冬の空はいつもと違う鳥たちが飛び交うよ
冷たい風を受けて旅立っていくものたち
どんなに暖かい服を着ても
煮え切らない想い
切なくて

逢いたくて 逢いたくて 探していた
言葉よりも大切なもの
何一つ尽きない想いを抱いて
今日も純白の彼方へ走っていく

逢いたくて たまらない

Winter Season

風の強い12月の街

今も雪が積もっているね 静かに

息は白い 別に苦しくなんかない

何気ないマフラーが落ち着かせてくれる

 

行き交う人を見ると 不意に込み上げてくる

果てない想い

 

今 君に会いたいと思った

そして あの夢を叶えたかった

だから 涙が溢れてくるよ

寒い夜の小さな独り言

伝えたい 届かなくても 君に

 

過ぎ去った存在にどうしたら戻れるの

あの日君になぜ伝えなかったの

僕のそばで押し寄せる後悔の波は

雪をも貫いて 激しく迫り来る

 

寒い夜の小さな独り言

伝えても君に届くわけないだろう

こんな僕なんか

どれほど辛くても

街は冬色に染まっていくだけで